自治体と連携、住民視点の一冊が登場
旅行ガイドシリーズ『地球の歩き方』の地方版として制作された『地球の歩き方 川崎市』が、6日に全国の書店などで発売される。巻頭や表紙に市内の工場夜景をあしらい、地域の観光・生活情報を詰め込んだ全400ページの大判本となる。初回限定版には川崎にゆかりのある人気漫画『ドラえもん』の特別カバーが付くという。
制作には市民の声を反映させる手法が採られ、2025年11〜12月に実施した市民参加型アンケートから563人分の意見が取り入れられた。編集側はこれを「おすすめグルメ」「ショップ」「口コミ」などの項目に活用し、市内7区を網羅したエリアガイドの形でまとめた。取材期間は約7カ月に及んだ。
- 発売日:6日(全国の書店など)
- 頁数:400ページ
- 初回特典:『ドラえもん』特別カバー(初回限定)
- 価格:2310円(税込み)
刊行にあたり、5日には編集部の代表らが市役所を訪問。由良暁世編集長と福田紀彦市長が対面し、本紙発表によれば福田市長は「川崎の魅力を詰め込んでいただいた。川崎愛がないと作れない一冊」とのコメントを寄せた。また、編集長側は読者から市版の要望が多く寄せられたことを制作の背景に挙げ、家庭での保存や学校での地域学習への活用を期待する旨を述べた。
掲載内容と地域への影響
書籍は市内の飲食店やショップを中心に、記事形式で紹介する構成で、制作側は「600以上の飲食店やショップ」を取り上げたと説明している。具体的には川崎大師平間寺や多摩川といった既存の観光資源に加え、町中華や地元で話題の酒場といった日常的な嗜好に応える特集も組まれている。
住民・事業者にとっての実利面では、地元店舗の露出増と来訪者の誘導効果が期待される。観光客や市外の知人・親戚への「紹介本」として配られることが想定され、出版を機に来訪需要が短期的に高まる可能性がある。また、地域学習や防災・交通の情報をまとめたページがあれば、家庭や学校での教材利用にもつながるという点で公共的価値も期待される。
入手と寄贈の取り組み
発売元は全国の書店での販売を案内しており、定価は2310円(税込み)。加えて、同書の初回分から市内の図書館や区役所向けに計30冊を寄贈することが決まっている。寄贈される分は公共施設を通じて住民が閲覧できるため、購入しなくても情報に触れる機会は確保される。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ページ数 | 400ページ |
| 特典 | 初回限定『ドラえもん』特別カバー |
| 寄贈数 | 図書館・区役所に計30冊 |
市民アンケートの結果を表紙選定にも反映させ、市民人気が高かった「工場夜景」を表紙に採用したことは、地域の象徴的景観が内外に再認識される契機となるだろう。工場夜景は観光資源としてこれまでも注目されてきたが、ガイドブックの表紙採用は写真による視覚的訴求力を高める効果が期待される。
住民への実用情報と留意点
住民がこの新刊を活用する際のポイントは以下の通りである。
- 観光客向けの紹介に使える:市外の来訪者に街の見どころや飲食店を案内する際の共通資料として便利。
- 地元店舗の情報は変動する可能性:営業時間や定休日、メニューなど店舗情報は変わり得るため、訪問前の事前確認を推奨する。
- 公共施設での閲覧:寄贈分が配架される図書館や区役所で実物を確認できるため、まずはそこで内容を確認すると無駄な買い物を避けられる。
「ぜひ一家に一冊、旅辞典としてご家庭に置いていただきたい。地域学習にもなるので、学校関係の皆さまにも読んでもらいたい」と由良編集長は話した。
地域情報の一元化は利便性を高める一方、情報の更新頻度の問題が残る。冊子媒体は発行時点の精度が高いが、時間経過とともに情報が古くなる点は避けられない。スマートフォンでの最新情報確認や、店舗公式の発信を併用することが実用的だ。
発売にあたって編集側と市側が発表した範囲の情報は上記の通りであり、今後、書店での販売動向や図書館での貸出状況、地域イベントでの活用実績などを追って報じる予定である。
(山口 恵)