廃棄素材を味に活かす新商品、地域連携で開発
埼玉県川越市内で製造されるクラフトジンに用いられた後のジュニパーベリー(セイヨウネズの実)を再活用したジェラート「川越ジンレーズンジェラート」が、川越市幸町の地域振興拠点施設「りそなコエドテラス」内の店舗で販売を始めた。開発は施設内のイタリア料理店のシェフ、門平光正さん(44)と、日本栄養大学(坂戸市)の学生らによる共同作業で、今年4月ごろから試作を重ねてきたという。
商品は秩父産のミルクをベースに、蒸留後に残ったジュニパーベリーの香りや削った実を配し、刻んだレーズンで食感と味にアクセントを付けている。提供は同拠点1階の「ECCOLAコエドジェラート」で、ダブルのカップが600円、コーンが770円となっている。
地域資源の循環と観光面での波及
ジュニパーベリーは、川越市中福にある「武蔵野蒸留所」が製造するクラフトジン「棘玉(とげだま)」の香り付けに使われるが、蒸留後は廃棄されることが多い。今回の試みは蒸留後の素材をフレーバーの骨格として商品化するもので、食品ロスの抑制や地域資源の付加価値向上につながる。
また、地域振興拠点であるりそなコエドテラスを販売場所に選んだ点は、観光客や市内外の来訪者に向けた訴求を意図している。門平さんは「ジュニパーベリーの香りや味のインパクトが強かった」と話しており、開発段階では酒かすやみそポテトなど川越産の素材を使った複数フレーバーを試作し、SNSでの一般投票も実施して選定したという。
住民への具体的な影響と利用上の注意
- 地域資源の循環:廃棄されていた蒸留残渣を活用するため、原料の有効活用と廃棄コストの削減効果が期待される。
- 観光・集客効果:りそなコエドテラスを訪れる観光客や買い物客に新たな土産・飲食メニューを提供し、周辺店舗への波及も見込める。
- 味の特徴と注意点:ジュニパーベリー特有のスパイシーで爽やかな香りが強いため、好みによっては好みが分かれる可能性がある。アレルギー等の表示は購入時に確認すること。
販売場所や価格は既に公表されているが、製造回数や販売量、今後の販売継続性などについては運営側の在庫状況や需要に左右される。継続的な供給には、蒸留所との連携や原料の安定確保が重要となる。
関係者の役割と開発経緯
商品開発には次の主体が確認されている。
- 門平光正さん(りそなコエドテラス内のイタリア料理店シェフ)— レシピ監修と商品化を主導。
- 日本栄養大学の学生— 商品開発の共同作業、試作や試食への参加。
- 武蔵野蒸留所(川越市中福)— クラフトジン「棘玉」で使用したジュニパーベリーの供給元。
- ECCOLAコエドジェラート(りそなコエドテラス1階)— 販売店舗。
関係者は「地域資源を生かした、これまでにないエキゾチックな香りのジェラート」を目指したと説明している。SNSでの一般投票を経てフレーバーを選定した経緯から、地元住民や来訪者の声を取り入れた商品づくりを行っている点も特徴だ。
今後の展望と住民への提言
川越らしさを打ち出す新商品は、観光シーズンやイベント時の目玉商品となる可能性がある。一方で、持続的な取り組みとするには以下の点が重要だ。
- 原料供給の安定化:蒸留後のジュニパーベリーの回収体制と衛生管理の仕組み化。
- 需要把握と販売計画:販売量に応じた製造計画や、季節メニューとしての導入検討。
- 情報発信:商品の特長や開発背景を来訪者に伝えることで、地域ブランドとしての認知を高める。
消費者としては、提供店舗での試食や地元素材を用いた他メニューと組み合わせて楽しむことで、川越の新しい味覚を体感できる。自治体や観光関係者にとっては、こうした事例をモデルケースとして他の地場産業との連携を進める契機になり得る。
「滑らかで口溶けが良い。今までに感じたことのないような、エキゾチックな香りが口に広がる」— 開発に携わった門平さんの言葉(報道から)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | 川越ジンレーズンジェラート |
| 販売場所 | りそなコエドテラス1階「ECCOLAコエドジェラート」 |
| 価格 | ダブルカップ 600円、コーン 770円 |
| 開発主体 | 門平光正(シェフ)、日本栄養大学の学生ら、武蔵野蒸留所(原料供給) |
地域資源の循環や地産地消、観光振興を結び付けた今回の取り組みは、川越における食とものづくりの新たな可能性を示している。販売状況や来客の反応を見守りつつ、関連事業者や自治体による支援や連携が進めば、商品は地域の定番として定着する余地がある。住民にとっては、地元の素材がどのように活かされているかを知るよい機会となるだろう。