県内全域に注意報、斑点のある米の発生懸念
長野県は、玄米に黒ずみや着色を生じさせる「斑点米」の原因となるカメムシ類について、発生が平年を上回っているとして県内全域に注意報を出しました。県の7月下旬の調査では、捕獲数の平均が3.2匹となり、平年の0.6匹を大きく上回ったと報告されています。出穂期以降に水田に侵入することが多い種類のため、今後の生育段階で被害が拡大するおそれがあります。
「県では県内全域に注意報を出して、水稲の生産者にカメムシ類の発生に注意するよう呼びかけています。」
農業被害が現れると、見た目の悪化で流通や販売に支障をきたすほか、食品加工向けの需要にも影響が出かねません。とくに出穂の早い品種、例えばあきたこまちや酒造用の酒米は侵入リスクが高いとされています。
発生状況と生育段階によるリスク
カメムシ類は出穂から登熟期にかけて穂や粒を吸汁することで、米粒に黒い斑点や変色を生じさせます。外見上の斑点は「斑点米」と呼ばれ、商品価値を下げる要因です。県の調査結果は、平年値と比較して顕著な増加を示しており、今後の気象状況次第では被害域が広がる可能性があります。
生産者が取るべき具体的措置
県は生産者に対して、早めの圃場(ほじょう)点検と適切な防除を求めています。具体的な対応例は以下の通りです。
- 出穂後を中心に定期的に圃場を巡回し、カメムシの飛来・付着を確認する。
- 捕殺やトラップの設置、必要に応じて農薬の散布を検討する(使用基準と薬剤を遵守すること)。
- 周辺の草地や雑木帯に生息する個体群の把握と管理を行う。
- 品種や出穂時期に応じた収穫時期の調整や選別体制の確保を検討する。
農薬使用については、登録薬剤や希釈倍率、散布時期などの注意が必要です。地域の普及センターやJAの技術指導窓口に相談のうえ、適切な資材と方法を選んでください。
流通・消費者への影響と対策
斑点米は外観が劣るため、精米時の歩留まりや市場評価が下がる可能性があります。加工用や業務用の取引条件が変わる場合もあるため、出荷予定のある生産者は取引先と早めに情報共有し、選別体制や価格調整について協議することが重要です。
| 項目 | 調査値 | 平年値 |
|---|---|---|
| 捕獲平均(匹) | 3.2 | 0.6 |
支援窓口と今後の見通し
県は今後も発生状況を継続して監視し、必要に応じて情報を更新するとしています。生産現場では気象条件によって発生が増減するため、県や市町村、農協が示す最新情報をこまめに確認してください。具体的な相談や防除資材の入手方法については、最寄りの農業普及センターやJA窓口が対応します。
7月下旬の調査で確認された発生量は平年を上回っており、今後の管理次第で被害の広がりが左右されます。稲の登熟期に向けた早めの点検と適切な対応が、品質維持と出荷の安定につながります。
(取材・文 斎藤 綾 プレスリリースジェーピー長野県担当)