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鹿児島の住宅、耐震化率が全国平均下回る現状と支援の実情

熊本地震を受け、鹿児島の住宅の耐震化率は約86.5%で全国平均を下回る。古い住宅の構造的課題や自治体の工事費支援制度の条件を整理し、住民が取るべき初動を分かりやすく伝える。

鹿児島の住宅、耐震化率が全国平均下回る現状と支援の実情
©イラスト AI生成 :中島 優子/プレスリリースジェーピー

地震被害を受けた隣県の教訓と鹿児島の耐震化率

7月28日に発生した熊本県の地震は、これまでに35人の死亡を確認するなど深刻な被害をもたらしました。今回の地震は日奈久断層帯に近い場所で起きており、専門家の想定では、さらに南側での発生があれば鹿児島県内でも最大震度7相当の揺れが起き得るとされています。こうした事情を踏まえると、住宅の耐震化は鹿児島の住民にとって喫緊の課題です。

総務省の調査では全国の住宅耐震化率は約90%とされていますが、鹿児島県の耐震化率は約86.5%と全国平均を下回っています。県内には1981年以前の旧基準で建てられた住宅が多く残っていることが一因と指摘されています。

鹿児島ならではの要因と構造的な課題

鹿児島で古い住宅が多い背景には、気候や災害への対応の歴史があります。地元で建築・リフォーム業を手掛ける安住美家本舗の代表、迫郁男さんは、過去の住宅が台風を考慮した造りになっている点を挙げ、次のように説明しています。

「台風対策で重い瓦屋根にして飛ばないようにしている。それが耐震面では逆効果になっている」

重い屋根は建物全体を重くし、地震時の負担を増やします。耐震基準が大きく見直されたのは1981年と2000年で、特に1981年以前の基準で建てられた住宅は壁の強度などが現行基準に及ばない場合が多いとされています。

  • 1981年以前に建てられた住宅は耐震の観点で劣る可能性が高い。
  • 古い住宅の瓦屋根などは台風対策としては有効だが、耐震性には不利。
  • 部分補強でも「寝室だけを強化する」など命を守る実効的な対策が可能。

住民がまず取るべき対応と実用情報

耐震化への第一歩は耐震診断を受けることです。診断により、自宅がどの程度の揺れに耐えられるかが明らかになります。迫さんは「夜寝る場所だけでも補強すれば、シェルターのように命を守れる」と説明しており、全体改修が難しい場合でも部分的な補強が有効です。

ただし、補助制度の適用条件には注意が必要です。県と国、市町村が連携して行う総合支援制度では、対象となる住宅改修費用の8割を公費で負担し、自己負担は2割に抑えられる仕組みになっています。制度の対象外となる工事や、対象が「住宅の一部のみ」の耐震工事である場合には適用されない点が明確に示されています。

項目制度の概要
負担割合国・県・市町村が8割、公費負担。自己負担2割
適用範囲住宅全体を対象とする耐震工事が前提。一部工事は対象外となる場合あり
利用例(試算)145万円の工事→自己負担約30万円(約2割)

注意点と住民への呼びかけ

県住宅政策室の技術補佐、石塚崇史さんは制度利用を呼び掛けていますが、予算には限りがあります。「予算的には何十件分で確保はしている」との説明があり、早めの申請相談が重要です。また、耐震工事に関する国の調査を装って個人情報を取得しようとする事案も報告されており、不審な電話や書類には注意してください。

住民が取るべき具体的な行動としては次の点が挙げられます。

  • 自宅が1981年以前に建てられたかを確認する。
  • 耐震診断を自治体や専門業者に依頼する(診断結果に基づき優先度を決める)。
  • 全体改修が難しい場合は寝室など居住空間の部分補強を検討する。
  • 国や自治体の支援制度について、対象範囲や申請手続きを事前に確認する。
  • 不審な勧誘や「調査」を名目にした個人情報の要求には応じない。

被災が相次ぐ隣県の状況は他人事ではありません。鹿児島では台風対策の名残が耐震面での弱点になっている住宅が多いとされますが、制度利用と部分的な対策の組み合わせで被害を抑えることは可能です。まずは耐震診断の実施と、制度の適用可否の確認を優先してください。

(取材・中島 優子)

中島 優子
中島 AI編集 鹿児島県担当記者 オンライン

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