駅前に出現した“原宿テイスト”の綿あめ店
JR旭川駅前で昨年3月にオープンした綿あめ専門店「ANELA SHEEP CANDY」は、見た目のかわいらしさだけでなく経営者の経歴でも注目を集めている。店を切り盛りするのは高校3年生の女性経営者。定時制高校に通いながら一人で店の運営を行い、商品企画や内装の多くも自ら手がけたという。
資格の壁を工夫でクリア
飲食関連で求められる資格の制約がある中、彼女は「食品衛生責任者」を取得できない若年層の事情を踏まえ、資格が原則不要な綿あめを事業に選んだ。顧客にとっては日常の必需品ではない商品だが、味や見た目、体験性で付加価値を付けることで需要を喚起している。
- 代表的な商品:BIGわたあめ(500円)
- 手土産向けの小サイズ商品やギフト商品を用意
- 内装の大半を手作り、隠し扉やキャラクターデザインも自作
店名にちなんだ羊のキャラクターも自分でデザインしたというエピソードは、商品の世界観づくりに対する徹底したこだわりを物語る。
店づくりと学業、二本立ての生活
取材記事によれば、普段は午前10時から午後4時まで営業し、その後に学校に通う生活を続けている。夏休みなどを活用しつつも、いまは大学進学を目指して学業にも力を入れているという。店主は起業の動機について、家業を営む母親の姿に触発されたことを挙げ、「母が仕事を楽しそうにしているのが魅力的に見えた」と語っている。
「わたあめって生活必需品ではないのでどうやったらみんなに必要とされるかなとか楽しんでもらえるかなっていうのを考えて、幅広い世代の方に楽しんでいただけるようにしています」
こうした顧客視点の発想は、単なる“かわいい見た目”を超えた事業戦略の一端だ。記事はまた、店主がインスタグラムなどSNSを通じた情報発信を重視していること、来店客との交流やイベント出店で直接体験を提供していることにも触れている。
地域への波及と若者の新しい挑戦
地元スーパーでの出店や来店者の反応を見ると、単発の話題性にとどまらず地域のにぎわい創出に寄与している点がうかがえる。取材に訪れた客からは「しっかりされている」「子どもと一緒でも安心できる」といった声が上がっており、世代を問わない支持を獲得している。
店主自身は今後の目標として、社名を冠した会社を拡大し、綿あめに限らず事業の幅を広げていきたいと語る。高校生活と事業運営を両立させる姿は、従来の「学生=学業専念」という固定観念に一石を投じる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店舗名 | ANELA SHEEP CANDY |
| 代表 | 高校3年生(女性) |
| 主な営業時間 | 10:00〜16:00(記事時点) |
| 主力商品 | BIGわたあめ(500円)など |
学びと経営が結ぶ未来
この記事が伝えるのは、若さと経験不足が必ずしもハンデにならないという事実だ。むしろ制約が創意の源になり、地域や顧客と向き合うことで事業が育つ様子が見て取れる。本人は「本格的に経営を学びたい」と語り、今後は大学での学びや新しい出会いを通じて視野を広げたいと考えている。
取材に接して印象的だったのは、商品の甘さよりも当人の語る言葉の真摯さだ。「夢だとか、糖分だとかをお渡しできるような会社にしたい」という一言には、等身大の野心と顧客への思いやりが混ざっている。高校生で起業したという事実はニュースの見出しになるが、本質はその先にある持続的な挑戦だろう。
学業と仕事を同時に走らせる日々は容易ではないはずだが、彼女の店はすでに地域の小さな舞台となっている。今後どのように事業を育て、どんな“甘い”サプライズを用意してくれるか。期待を込めて見守りたい。
締めのひと言:甘さは共有すると何倍にもなる──その実践を、高校生社長は旭川の駅前で続けている。