下関の中心核、百貨店閉店で早急な対策を協議
下関市は6日、来年2027年8月末に営業を終了することが発表された大丸下関店(下関市竹崎町)の閉店に伴う影響を最小限に抑えるため、庁内対策会議の初会合を下関商工会館で開いた。会議は島崎敏幸副市長を本部長とし、副市長2人と関係部局長ら計7人で構成。閉店が市の経済・生活・観光に与える影響を幅広く議題に挙げ、早期の現状把握と情報発信を確認した。
大丸下関店は来年8月末で76年の歴史に幕を下ろすと発表されており、地元で長年親しまれてきた存在だ。会合では、特に次の分野が優先課題として挙がった。
- 従業員の雇用維持
- テナント・取引先企業への影響把握と支援
- 店舗建物の閉店後の活用方針
- JR下関駅前のにぎわい維持と駅前再整備との連携
- インバウンド需要を含む観光面への影響
市によると、大丸松坂屋百貨店側は社員約100人弱について、他店への配置転換を含め雇用継続を基本とする方針を示している一方、テナント従業員はおおむね150程度とされるが、大丸側でも正確な把握は出来ていないという。テナント側の雇用問題などについては、来週にも同社が合同説明会を開く予定で、市はハローワークなど関係機関と連携して支援に当たる方針だ。
島崎副市長は会合で「影響を過小評価せずに早い段階から現状把握などを進め、市民に不安が広がらないように早急に方針を取りまとめて適切な対策を講じ、分かりやすい情報発信をしていく」と述べた。
また、市が24年に大丸5階に開設したマイナンバーカードセンターや中高校生向け学習スペース「エキスタ」の運営も同店閉店で影響を受ける見込みであり、移転や運営継続の可否などについて情報収集を進める考えだ。公共機関の拠点が商業施設内に置かれているケースは住民サービスに直結するため、早期の代替案が求められる。
会合では、百貨店の閉店が駅前の商店街や周辺飲食店、観光関連サービスに及ぼす波及効果にも触れられた。大丸下関店はJR下関駅前に立地し、地域の集客の中核的存在だった。市は駅前リニューアル推進の業務と閉店対策を関連付け、駅前のにぎわいを維持する方策や、跡地利用の方向性を検討する意向を示した。
| 課題 | 想定される対策 |
|---|---|
| 従業員雇用 | 大丸側の配置転換支援、ハローワークと連携した再就職支援 |
| テナント支援 | 合同説明会の情報共有、地元事業者への支援窓口整備 |
| 公共施設の移転 | 代替スペースの確保、行政サービス継続計画 |
| 駅前再生 | 既存計画との調整、イベントや集客施策の強化 |
市は今後、2〜3カ月ごとに会合を開く方針で、他都市での百貨店閉店事例も参考にしながら必要な対策を検討するという。地元経済界や商店街、観光関係者とも連携を図り、段階的に対応策を整理していく予定だ。
下関市中心部のランドマークの一つが失われる事態は、市民生活や地域経済に即時的・長期的な影響をもたらす可能性がある。雇用の維持や公共サービスの継続、駅前の回復策は地域の生活基盤に直結する課題であり、住民は今後の市の情報発信と支援策の具体化を注視する必要がある。
今回の初会合は、影響範囲の早期把握と関係機関の連携を優先する姿勢を示した段階にとどまる。市民にとって重要なのは、雇用・生活面での不安を和らげる現実的な支援策の提示と、跡地活用など将来像の描き方だ。市は非公開で定期的に会合を行いながら、必要に応じて市民向けの説明会や相談窓口の設置も検討する方針である。