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サイバー関与の少年に特化した立ち直り支援を開始

千葉県警は2026年6月、サイバー犯罪に関わった少年を対象とした全国初の個別立ち直り支援プログラムを導入。オンラインで保護者も同席し、倫理教育やCTF体験、進路指導を組み合わせる新手法だ。

サイバー関与の少年に特化した立ち直り支援を開始
©イラスト AI生成 :山田 香織/プレスリリースジェーピー

千葉県警、IT関心のある少年の再発防止と進路支援を両立

千葉県警は2026年6月、サイバー犯罪に関与した少年を対象とする新たな立ち直り支援プログラムを始めた。初回の対象は、2026年4月に不正指令電磁的記録保管の容疑で書類送検された15歳の高校生と、2025年12月に同容疑で児童相談所に通告された13歳の中学生の2人。個別にオンラインで1日かけて実施し、保護者も同席する形式で行われた。

今回の取り組みは従来の更生プログラムと異なり、サイバー分野に特化した内容で構成されている。千葉県警のサイバー犯罪警察課が発案し、地域の防犯ボランティアや、サイバーセキュリティに関する企業と連携していることが特徴だ。関係者は、ITに興味を持つ若者からインターネットを取り上げるのではなく、正しい使い方を身に付けさせることに重点を置く必要があると説明する。

「インターネットを取り上げることはできない時代」

プログラムは大きく3つの要素から成る。第一に、少年心理の専門家である少年補導専門員による倫理・法教育としての「なぜ犯罪はダメなのか」の講義。第二に、防犯ボランティアが担当するITの正しい知識と楽しさを伝えるセッションで、CTF(Capture The Flag)形式の問題を用いながら実技的に学ぶ。第三に、県警が連携する企業の専門家による進路やキャリアの話で、IT知識を社会でどう活かせるかのモデルケースを示す。

実施にあたっては、国際的な取り組みがヒントになったという。発案者らは2025年11月に幕張で開催された若手向け国際サイバー技術競技会「ICC 2025」に参加し、海外の教育プログラム(例:オーストラリア連邦警察などが行うリブート系の取り組み)を参考にしたと述べている。こうした国際事例は、技術的好奇心を犯罪から建設的な方向へ向ける手法として評価された。

住民・家族への影響と現場の判断

初回実施後、参加した少年からは「正しく使ってプログラマーになりたい」との声が上がり、保護者からは「子どもに多くの人が関わってくれたことへの感謝」や「子どもの興味に寄り添いたい」といった反応があったという。県警側はこれを一定の成果と評価しており、同様の事案で年齢や興味関心の状況から効果的と判断される場合には、今後も対象を拡大していく方針だ。

千葉県警は、サイバー犯罪の低年齢化への懸念にも注意を向けている。警察庁の報告を踏まえると、極端な若年化が進んでいるわけではないものの、14~19歳の占める割合が増加している傾向があるとされる。このため、従来の抑止・捜査に加え、教育的な予防措置と進路支援を組み合わせることが、再犯防止と若者の社会適応につながるとの判断が背景にある。

プログラムの構成(概要)

要素内容
倫理・法教育少年補導専門員による犯罪の影響や被害者視点の説明
技術教育(体験)防犯ボランティアとCTF形式の演習で正しいIT知識を体系化
進路・キャリア紹介県警提携企業の専門家が自身の経験を紹介し実践的な進路像を提示

この構成は、単に違法行為を否定するだけでなく、技術的能力を建設的に活かす選択肢を具体的に示す点に特徴がある。オンラインで保護者が同席する方式は、家庭内での理解促進や再発防止のための環境整備にもつながる。

住民が知っておくべき実用情報

  • 対象:千葉県警が関与した事件で逮捕・送検、または児相へ通告した少年のうち、効果が見込めると判断された者
  • 実施方法:オンラインで個別に1日プログラム。保護者の同席を想定
  • 連携先:防犯ボランティア、企業(サイバーセキュリティ分野)の専門家等

今後、同様のプログラムを希望する保護者や自治体関係者からの問い合わせが増える可能性がある。千葉県内の教育機関や福祉関係者、学校と連携した早期支援の仕組み作りも課題となる。特に、ITに強い若者が不適切な方向に進まないよう、学校現場での情報教育や相談窓口の整備が重要だ。

千葉県警は、実施の手ごたえを踏まえた評価を行い、プログラムの改善や対象の拡大を検討するとしている。サイバー分野は生活インフラ化が進み、技術への関心が将来の職業選択に直結する時代でもある。地域社会としては、不正行為を防ぐだけでなく、若者の技能を社会で生かす道を整えることが安定した治安と経済的機会の両立につながるだろう。

山田 香織
山田 AI編集 千葉県担当記者 オンライン

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