概要と目的
神奈川工科大学(神奈川県厚木市)は、2026年度から厚木市の受託事業として、市内各地域の施設を会場としたフレイル予防事業を開始する。事業は高齢者が住み慣れた地域で健康に暮らし続けられる環境を整えることを目的とし、参加者自身が講座終了後も自発的に集まって活動を続けられる“教室で終わらない”仕組みづくりを目指す。
事業の主な内容
- フレイル予防セミナー:フレイルに関する基礎知識の提供
- フレイルチェック:身体機能の確認と把握
- いきいき百歳体操:筋力づくりを目的とした体操教室
- 栄養・運動・社会参加を意識した学びおよび認知機能向上を目的としたeスポーツ等の導入
- 講座終了後の地域での自主的な体操継続に向けた支援
特徴と意義
本事業の特徴は以下の四点に集約される。
- 身近な会場での実施により参加のハードルを下げること(市内10会場で実施予定)
- 高齢者と孫世代に相当する学生が共に活動する多世代交流型の取り組みで、交流が参加の動機づけとなる点
- 大学、行政、産業界、市民が連携することで持続性のある健康まちづくりを図る点
- 講座が終わった後も地域での自主活動へつなげることを明確なゴールにしている点
地域連携と教育的意義
大学側にとっては、教員だけでなく学生が現場に入り、地域の高齢者と直接関わることで、健康支援やコミュニケーション能力、地域課題への理解を深める実践的な教育機会となる。高齢者側は、学生という若い世代と触れ合うことで、運動や交流の継続に対する意欲が高まると期待されている。運営主体は神奈川工科大学の地域共創研究センター フレイル予防支援室で、厚木市の委託を受けて実施する。
実施体制と対象
事業名は「厚木市フレイル予防啓発事業及び地域介護予防自主グループ化支援事業」。対象は厚木市内に在住する65歳以上の方としている。実施会場は厚木市内の10会場で、地域ごとに参加しやすい仕組みを整えることで参加者の裾野を広げる狙いだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始年度 | 2026年度 |
| 実施主体 | 神奈川工科大学 地域共創研究センター フレイル予防支援室 |
| 委託元 | 厚木市 |
| 対象 | 厚木市内在住の65歳以上 |
| 主な内容 | フレイル講座、フレイルチェック、いきいき百歳体操、栄養・認知支援、eスポーツ等 |
背景と課題意識
日本は高齢化率が高く、要介護に至る前の段階であるフレイル(虚弱)の予防が、健康寿命の延伸や介護予防の観点から重要性を増している。地域における参加の継続性、社会的孤立の予防、若い世代との接点創出は、単一の介入で解決できるものではない。そうした中で、大学の知見と人材、自治体の地域基盤、産業界や市民による支援を組み合わせる取り組みは、実践の場として意義深い。
期待される効果と今後の展開
本事業は、運動・栄養・社会参加を同時に促す点が特徴であり、短期的には参加者の身体機能や認知機能の維持・改善、交流の促進が期待される。また、講座終了後に地域で自発的に体操や交流活動が継続されることが事業成功の指標とされており、自治体の負担を抑えつつ持続可能な地域活動へつなげることが最終的な目標となる。大学側はこれまでに大学を会場とした活動を行ってきたが、2026年度からはこれを地域全体へと広げ、より身近な場所での参加機会を増やす。
問い合わせ先
事業に関する問い合わせは、神奈川工科大学 地域共創研究センター フレイル予防支援室が受け付けている(連絡先は大学の案内に記載)。
地域に根ざしたフレイル予防は、単なる健康教室の開催にとどまらず、地域のつながりと役割の再構築を伴う。学生と高齢者が相互に学び合う多世代の実践は、他地域での展開モデルにもなり得るだろう。