場内の老舗食堂、74年の歴史と今
尼崎ボートレース場の場内にある食堂「丸久」は、場の開設と同じ74年間営業を続ける老舗だ。店頭で焼かれるお好み焼きや焼きそばは常連客の顔を引き寄せる定番で、卵入りのお好み焼きが400円、目玉焼き付きの焼きそばが500円と手頃な価格が特徴だ。代表の井上義康店長(44)は2011年に父から店を継ぎ、親子三代でのれんを守ってきた。創業者である祖母・美代子さんと祖父・久雄さんが始め、当初の屋号は「まるひさ」だったが、ファンの呼び名「まるきゅう」が現在は正式な屋号になっている。
手作りにこだわる日常とメニュー
「丸久」は冷凍食品を使わず、すべて手作りで調理している点を売りにしている。店長は、いわしの天ぷらは生の状態から仕込み、店内で骨を取り除く工程を踏むことを明かしている。メニューはお好み焼き、焼きそば、天ぷら、うどん、カレー、定食など幅広く、弁当にはだしを引いた後の昆布の佃煮や、だし巻き、ちくわを大葉で巻いた天ぷらなどが並ぶとされる。こうした品々は来場者の食欲を満たし、レース観戦の合間の食事需要に応えている。
来場者の変化と地域への波及効果
かつては年配の男性客が大半を占めていたが、近年は若い来場者や女性、YouTuberなども増え、レジャーとして場を訪れる層が拡大している。店長は若年層の来店増加を実感しており、こうした客層の変化は場内のにぎわい、ひいては尼崎の催事や周辺商店街への波及にもつながる。特に10月に予定されるSG・ボートレースダービーを控え、来場者増が見込まれる中、場内飲食の提供能力や混雑対策は実務的課題となる。
- 手作りメニューと低価格設定が幅広い世代の支持を得ている。
- 若年層や女性の来場増加により、場内の消費構造が変化している。
- 今後の大規模開催(SG)で飲食店の重要性が高まる。
選手やファンとの結びつきが生む地域ブランド
尼崎支部の選手にも「マルキューファン」が多いとされ、数原魁、来田衣織、登みひ果らが店のメニューをあしらったTシャツを制作して着用するなど、場内外で店舗の存在が目に触れる機会が増えている。こうした選手と地元飲食店の結びつきは、場全体の雰囲気を醸成し、ファンの間での情報発信や来場動機の多様化に寄与している。
「古き良き伝統を守っていきながら頑張っていきたい。これからも‘おいしかった’と言ってもらえるように…」 — 井上義康 店長
住民・来場者が知っておくべき実用情報
場内での飲食は観戦の楽しみを高めるが、混雑時の待ち時間や座席回転、支払い手段などを事前に想定しておくと快適に過ごせる。特に大きな節やSGなど特別開催時は長い行列が発生しやすく、次の点に留意することを勧める。
- 開催日や混雑見込みは公式サイトや場内掲示で事前確認する。
- 人気のある鉄板メニューは提供に時間がかかるため、時間に余裕を持って行動する。
- 炎天下や雨天時の行列対策(帽子、雨具、飲料)を用意する。
また、場内飲食の需要増は雇用や地域経済にも影響を及ぼす。場外の飲食店や周辺商店にも来場者が波及すれば、季節的イベントの経済効果が広がる可能性がある。行政や運営側にとっては、イベント時のインフラ整備や周辺道路の交通整理、衛生管理などの課題解決が不可欠だ。
今後に向けて
尼崎ボートレース場は地元の娯楽施設であり、場内の飲食店は来場者の滞在時間を延ばす要素として重要だ。丸久のような老舗が現場で手作りの味を提供し続けることは、地域の文化・歴史の一部を守る行為でもある。10月のSG・ボートレースダービーを前に、場内の飲食供給体制や混雑対策がどのように整えられるかは、来場者の満足度と地域の経済効果を左右するだろう。尼崎の「ボート飯」は、レースの熱気とともに今後も市民の関心を集め続けるに違いない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | 丸久(まるきゅう) |
| 営業年数 | 場の開設と同じく74年 |
| 代表 | 井上義康(44) |
| 主な価格例 | 卵入りお好み焼き400円、目玉焼き付き焼きそば500円 |