地域と選手を結ぶ催し 運営は「ファン目線」を重視
SVリーグ女子の姫路を拠点とするバレーボールクラブ、ヴィクトリーナ姫路は2026年5月16日、ホームアリーナのヴィクトリーナ・ウインク体育館で「ヴィクトリーナ姫路ファン感謝DAY 2026」を開催した。イベントの運営を担うスタッフが地元ラジオ番組に出演し、企画の裏側や狙いを明かした。市民やサポーターにとっては、選手との距離を縮める貴重な機会となっている。
運営担当の長川伶斗さんは姫路でのホームゲーム運営に携わって今年で3年目。趣味としてサッカーやロードバイクを嗜み、最近は自身もバレーを始めたという。長川さんはイベント企画に当たり「自分がファンだったらどうだろう」とまず想像することを重視していると説明した。
長川伶斗(運営担当):「自分がファンだったらどうだろう?というファン目線から、まず考えるようにしています。」
当日の人気プログラムは、観客と選手が直接触れ合える「グリーティング」と、観客参加型のゲーム「借り人競争」「足し算クイズ」など。特に「足し算クイズ」は選手の幼少期の写真を使い、誰の写真かを当ててその選手の背番号を足し合わせる形式で、会場全員が参加できる仕組みとなっていた。選手が提供した写真を通じて「成長の過程を見られる」といった楽しみがあり、場内は盛り上がりを見せた。
| イベント名 | 日付 | 会場 | 主な企画 |
|---|---|---|---|
| ヴィクトリーナ姫路ファン感謝DAY 2026 | 2026年5月16日 | ヴィクトリーナ・ウインク体育館 | グリーティング/借り人競争/足し算クイズ |
イベントの司会を務めたタージンさん(ヴィクトリーナ姫路スペシャルアンバサダー)は、選手によって写真の出来映えに差があり、それもまた見どころの一つであるとコメントした。アヴィタル・セリンジャー監督も参加し、会場を沸かせる場面があったという。運営側は当初、幼少時の写真で「誰でしょう?」と当てるだけの案を想定していたが、スタッフ全員で検討を重ねる中で現在の形式に改良したと明かした。
タージン(司会):「選手によってはバッチリ決まっている写真もあれば、ピントのずれた写真、時代を感じる写真などもあり、そういった意味でも面白かった。」
長川さんはまた、ファン感は単なる“楽しみの場”であると同時に、シーズンを去る選手と最後に交流する場ともなり得ることから、演出にメリハリを付ける必要があると話した。企画自体はレギュラーシーズンと日程が近接するため準備開始が遅めになりがちで、3月後半から本格的に動き出すケースが多いという。運営スタッフはシーズン中も別の業務を抱えながら準備を進めるため、個々の負担も大きいが「頑張ってやりきれている」と述べた。
今回のようなファン感謝イベントは、地域に根差すスポーツクラブとしての存在感を高める役割を持つ。姫路におけるスポーツ観戦文化の醸成や、地元経済への波及効果という観点からも意義がある。来場者が会場で消費する飲食やグッズ購入、周辺施設の利用などを通じて、地域の商業活動に一定の貢献が期待される。
一方で、運営側には安全管理や動線設計、参加者満足度の確保といった課題がある。観客参加型の企画では参加者の年齢層や体力差を踏まえたプログラム設計、会場内の混雑を避けるための動線対策、写真提供や個人情報に関わる配慮などが求められる。今回のイベントで採用された写真提供の仕組みは、選手側の協力を前提としたものであり、今後も継続するためには選手・スタッフ双方の負担軽減策が鍵になる。
- ファン目線を出発点にした企画設計が好評だった点
- 幼少期の写真を使った参加型クイズで会場の一体感を演出した点
- 運営準備のタイミングとスタッフの負担が今後の改善課題である点
地元ファンにとって次回のポイントは、運営側が掲げる「ファン目線」がさらにどう具体化されるかだ。たとえば子ども連れの家庭が参加しやすい時間帯設定や、年配のファンにも配慮した観覧スペースの確保、地元企業や商店街との連携による物販・飲食ブースの充実など、地域性を生かした施策が考えられる。運営側も試行錯誤を重ねながら、ファンと選手双方にとって有意義な場を作っていく姿勢を示している。
姫路に根付くクラブの活動は、単なる試合運営に留まらず、地域コミュニティの形成にも寄与している。今後のホームゲームやイベント情報は、クラブ公式発表や地元メディアの案内を通じて随時確認することができる。参加を検討する市民は、公式アナウンスに注意しつつ、開催日時や参加方法、当日の集合場所や持ち物などを事前に確認することをおすすめする。
(取材・藤田 早紀/プレスリリースジェーピー)