労働組合の地域組織である連合鳥取が、雇用や労働の場で男女が平等に参画できる社会の実現を目指し、鳥取県と鳥取労働局に要請書を提出した。連合鳥取はハラスメント防止の啓発の強化や、非常勤職員を含む処遇改善、そしてサービス利用者による過剰要求への対応策などを求めている。要請は6月29日に行われ、地元行政との協働を模索する動きが注目される。
要請の主な項目と県側の受け止め
連合鳥取の北畑仁史会長が県庁を訪れ、平井伸治知事に対して口頭と文書で要請した。要請の中で特に目立った点は以下の通りだ。
- ハラスメント防止の啓発活動を積極的に行うこと
- 非常勤職員など非正規労働者の処遇改善
- カスタマーハラスメントを防ぐ条例制定の検討
- 知事や県議から県職員へのハラスメントについての対策検討
- 女性の管理職登用を進める企業への助成拡充
- 多様な性を尊重する「とっとり安心ファミリーシップ制度」の理解促進
平井知事は要請に対し、「一緒に県民運動を展開できれば。我々も働きやすい職場づくりにモデル的に取り組みたい」と応じ、県と連合鳥取が連携して取り組む可能性に含みを残した。
背景:県の県民運動と補助制度
県は、性別による固定的役割分担意識やアンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)を解消するため、商工・農業・女性・若者など各団体と連携し、5月から県民運動を開始している。連合鳥取もこの運動の構成団体として参加しており、学習会などの活動を展開している。
県民運動では、企業や団体、自治会などが女性登用の目標や具体的な取り組みを掲げた行動計画を作成し、その取り組みを県のホームページで紹介する仕組みが整えられている。目標を達成した企業などに対しては補助金を交付し、活動を支援する制度も設けられている。
鳥取の職場・住民にとっての影響
地元企業や自治体職場にとって、今回の要請とそれに対する県の応答は次の点で影響がある。
- ハラスメント啓発の強化により、窓口対応や接客を行う事業所の研修やマニュアル整備が促される可能性がある。
- 非常勤職員の処遇改善が進めば、非正規雇用で働く住民の生活安定に寄与する見込みがあるが、実施には予算措置や具体的な制度設計が必要となる。
- 「カスタマーハラスメント」に対応する条例やルールづくりが進めば、過剰な要求・暴言に対する事業者の防御手段が法的枠組みで補強される可能性がある。
- とっとり安心ファミリーシップ制度の理解促進により、多様な家族形態への行政サービスの窓口対応が変わることが考えられる。
連合鳥取は、ハラスメント防止の啓発を積極的に行うことや、非常勤職員らの処遇改善などを訴えた。
今後の見通しと住民への助言
現時点で県側は県民運動を継続中で、連合鳥取も学習会などを通じて活動していると説明している。知事は県内でモデル的な職場づくりに取り組む意向を示しており、自治体・企業・住民の間で具体的な施策を協議していく段階にある。
住民・事業者にとって実務的に押さえておくべき点は次の通りだ。
- ハラスメント防止に関する研修や相談窓口の情報は、県の広報や労働局から発表される可能性が高い。最新情報は県と鳥取労働局の公式発表を確認すること。
- 非常勤や非正規の処遇改善が進む場合、勤務条件や手当の変更が労使協議の対象となる。該当する労働者は所属組織や労働組合に相談しておくとよい。
- カスタマーハラスメントへの対応指針が作られれば、事業所は顧客対応マニュアルを見直す契機となる。苦情対応担当者は対応方針の確認を。
今回の要請は、男女平等や職場の安全・安心に関する地域の議論を促す機会となる。県と連合鳥取の今後の協議内容や県の具体的な支援策の公表が、地域の働き方や職場環境にどのような変化をもたらすかを注視する必要がある。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 5月 | 鳥取県が県民運動を開始 |
| 6月29日 | 連合鳥取が要請書を県に提出 |
| 7月7日 | 要請に関する報道(記事掲載) |