概要と結果
第68回奈良県吹奏楽コンクールの最終日が8月9日、橿原市の県橿原文化会館大ホールで行われ、高校小編成と職場・一般の部で県代表が決まった。高校小編成の県代表に選ばれたのは西大和学園と県立国際、職場・一般の部はセントシンディアンサンブルと奈良市吹奏楽団。これら4団体は8月23、24日に滋賀県彦根市で開かれる第76回関西吹奏楽コンクールに出場する。
高校小編成の舞台と演奏の特徴
高校小編成は、編成員が25人以下の団体が対象で、当日は18団体が演奏を披露した。西大和学園は演奏曲目に《蒼の躍動》を選び、打楽器を担当する2年生の杉本和香さんは、曲の魅力として「雰囲気がガラッと変わるところ」を挙げた。杉本さんは演奏後に「落ち着いてできた」と振り返る一方で、終盤で体力面の課題に触れ、自己評価として「バテてしまった」と述べた。関西大会へ向けては「私たちにできることをそのまま発揮したい」と意気込みを語っている。
一方、県立国際は中高一貫校の体制を活かしており、舞台に上がるおよそ3分の2が中学生という構成だ。演奏曲は《オセロ》。3年生トランペットの杉瀬みずきさんは、序盤の難所を切り抜けたと実感し、仲間の集中した姿勢が印象的だったと述べた。大会を経ての抱負は「ステージを楽しみたい」というシンプルだが前向きなものだ。
「雰囲気がガラッと変わる」「落ち着いてできた」「バテてしまった」「私たちにできることをそのまま発揮したい」「ステージを楽しみたい」
職場・一般の部の動き
職場・一般の部には11団体が出場した。セントシンディアンサンブルは《鼓響・・・故郷》を演奏し、代表指揮者の福島秀行さん(59)は、童歌や祭り囃子、現代音楽の要素が融合された曲構成について「祭り囃子が盛り上がって良かった」と総括した。奈良市吹奏楽団は交響詩《鯨と海》を披露。代表の山本佳弘さん(58)は、新しい指揮者に急遽交代して臨んだが、短い練習回数にもかかわらず本番でまとめ上げ、県代表に選ばれたことに驚きを示した。
関西大会へ向けた視点と地域への影響
関西大会出場は、各校・団体にとって演奏レベルの確認だけでなく、練習体制の強化や学校・市民団体の支援体制を浮き彫りにするイベントだ。とくに小編成の部は、少人数だからこそのアンサンブル力と個々の負担が大きく、体力面や交代要員の確保といった運営面の整備が課題となる。
関係者や保護者にとっては、遠征費用や移動手段、保険加入の有無など、関西大会参加に伴う実務的な準備が必要になる。自治体や学校側は、応援の動員方法や滞在先の手配、緊急時の連絡体制を確認しておくことが望ましい。市民バンドなど職場・一般の団体では、勤務先の理解や練習時間の確保が大会成功の鍵になる。
- 出場日程:第76回関西吹奏楽コンクール(8月23日・24日、滋賀県彦根市)
- 会場:ひこね市文化プラザ(関西大会)
- 奈良県代表(高校小編成):西大和学園、県立国際
- 奈良県代表(職場・一般):セントシンディアンサンブル、奈良市吹奏楽団
参加団体の受賞一覧(当該部門に限定)
| 部門 | 金賞(県代表は◎) | 銀賞 |
|---|---|---|
| 高校小編成 | ◎西大和学園、◎県立国際(ほか:奈良北、添上、法隆寺国際、五條) | 高取国際、智辯学園、奈良大学付属ほか |
| 職場・一般 | ◎セントシンディアンサンブル、◎奈良市吹奏楽団(ほか:シンフォニックホーム、M's Sound Factory、A-winds奈良ほか) | いこまファミリア吹奏楽団、吹奏楽団モンヴェールクレールほか |
今後の予定と観戦・支援のポイント
関西大会は各府県の代表団体が集い、地域の吹奏楽レベルを測る場となる。出場団体には、次の点を確認しておくと良い。
- 移動手段と宿泊:大人数の移動に伴う費用負担と安全確保の計画を早めに固める。
- 健康管理:夏場の大会であるため、熱中症対策や体調管理を徹底する。演奏後のケアも重要。
- 応援方法:関係者の応援が励みになる一方、会場の動線や入場制限に注意する必要がある。
県内の吹奏楽活動は部活動・学校外団体ともに活発で、今大会も多数の団体が日頃の練習の成果を示した。関西大会での演奏は、奈良県の音楽文化を外部に伝える機会であると同時に、次世代育成の姿勢を確認する場でもある。出場する4団体が持てる力を発揮し、無事に本番を終えることを期待したい。
(取材・執筆:後藤 亮介、プレスリリースジェーピー奈良県担当)