御殿場キャンプでの初陣と監督の方針
静岡県御殿場市を拠点にキャンプを行っているJ3・松本山雅FCは、7月4日にJFLのヴィアティン三重と練習試合を行い、3-0で勝利した。始動から12日目に迎えた今季初の対外試合で、新加入選手が3得点を挙げるなど結果面の収穫は明瞭だ。
試合後、石﨑信弘監督は「今日出た課題をどう改善していくか」と語る一方で、キャンプ残りの期間(7月10日まで)からはメンバーを限定して「ある程度形をつくっていく」と述べ、戦術の定着と主力の絞り込みにスピード感を持たせる考えを示した。
「今日はごちゃ混ぜでメンバーを組んだけれど、来週のトレーニングからは限定と言うのかな、ある程度形をつくっていく」
新戦力と人事の現状
今季はチームの変動が大きく、9人の新戦力を迎え入れ、選手構成の約3分の1が入れ替わった。昨季の主力だった選手の流出もあり、特にトップ下とアンカーの両ポジションがチーム編成上のカギと見られている。
昨季に主軸を担ったMFの村越凱光はJ2テゲバジャーロ宮崎へ、MF深澤佑太はJ2湘南ベルマーレへ完全移籍しており、この穴をどのように埋めるかが当面の課題だ。練習試合ではトップ下にFW井上愛簾、FW田中想来、FW藤枝康佑らが入り、アンカー候補としてMF松村厳、MF力安祥伍、MF渋谷諒太の3人が試された。
練習試合で見えた課題と期待
試合は30分を3回の形式で行われ、フィールドプレーヤー21人の大半に約45分の出場機会が与えられた。序盤はプレーでの連係不足が目立ったが、時間経過とともに改善が見られ、石﨑監督は全体を前向きに評価した。
一方で選手たちのコメントからは守備の連動や攻守の切り替え、奪取後のつなぎといった基礎部分の精度不足を自覚する声が多い。金子翔太は「(トップ下もシャドーも)どちらでもできる」と柔軟性を強調するが、「ミドルシュートや2列目からの飛び出しが十分に出せなかった」と課題も認めている。力安は守備のバランス取りを、松村は奪取後のミスをそれぞれ挙げ、個々が改善点を自覚している。
短い準備期間がもたらす圧力
石﨑監督が早期に形を作ろうとする理由の一つは準備期間の短さだ。記事は今季の松本が6月第4週に始動したクラブの一つであり、戦術浸透に費やせる時間が限られていることを指摘している。これにより、フィジカル強化よりも実戦を通じた戦術の落とし込みが優先されているという。
もう一つの理由は、主要ポジションにおける戦力の入れ替わりだ。主力の固定化がリセットされ、ポジションを取るための競争が早期に始まっている。監督の「ミックス」起用は公平なチャンスを与える反面、最終的には限定されたメンバーで形を構築する方向に舵を切る意図を示している。
- キャンプ地:静岡県御殿場市(期間は7月10日まで)
- 練習試合:対ヴィアティン三重、結果は3-0で勝利
- 新戦力:9人、チームの約3分の1が入れ替わり
松本市民への影響と今後の視点
地元クラブの布陣がどう固まるかは、ホームゲームの戦いぶりや観客動員、地域の盛り上がりに直結する。監督が早期に主力を固める姿勢を示したことで、開幕後の戦術的な安定と選手起用に関する透明性が高まる一方、選手間の競争激化は新たな活躍や台頭を期待させる。
市民やサポーターは、キャンプ明けのトレーニングで位置取りが見えてくる選手や、新加入選手の順応度を注視することになるだろう。クラブ側は公式発表や練習公開、プレシーズンマッチの情報を通じてメンバー像を明確にしていくはずだ。
地域経済の観点でも、ホームゲームが増えるシーズン中は飲食・宿泊・小売りなどへの波及効果が期待される。地元商店や飲食店は試合日程に合わせた営業計画を立てるため、クラブの開幕日程やホーム開催日程の確定は重要な指標となる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 練習試合結果 | ヴィアティン三重に3-0で勝利 |
| キャンプ最終日 | 7月10日(キャンプ継続中) |
| 新加入選手数 | 9人 |
今後、注目すべき点は次の通りだ。まずは石﨑監督が示した通り、来週以降にどの選手を主力候補として限定するか。次に、トップ下とアンカーの両ポジションを誰が安定して担うか。そして新加入選手がリーグ戦のペースにどれだけ早く順応できるかである。
松本山雅は地元に根差すクラブとして、選手起用や戦術の変化が地域の話題にもなる。残された準備期間でどれだけの「形」を作り上げられるかが、シーズン序盤の成績を左右するだろう。