松本の県ケ丘高校、ジャズ復活とロック大会出場で部の存在感高める
松本市にある松本県ケ丘(あがたがおか)高校の軽音部が、ジャズとロックの両ジャンルを併行して活動し、部の規模拡大や外部大会での実績を積むなど存在感を高めている。部は伝統的にジャズを基盤とするビッグバンド形式と、バンド編成のロックの活動を両立させ、互いに刺激し合いながら演奏の幅を広げている。
同部は現在、1・2年生を中心に部員44人が所属し、そのうちジャズとロックの両方に取り組む部員は約20人に上る。部員構成や練習体制の変化は、少子化や部活動の多様化が進む中で、学校文化の維持・発展に直結する動きだ。
- 管楽器中心のジャズ活動は、部員勧誘やパート練習の導入により復調し、管楽器はかつての5人から10人へ回復した。
- ロックは外部大会への参加を通じて活動の場を拡大。初出場の「パワーライブ」を経て、県大会でベスト16入りを果たしたバンドが2組ある。
- 練習の強度や両立の工夫により、文化祭や地域イベントでの発表機会も増加している。
部の取り組みをけん引した3年生の増沢日和さん(取材時18)は、ジャズの再建に向けた1年間の努力について説明している。部内の管楽器が減少した状況で、部員同士が「ジャズをやりたい気持ちを全員で確認しました」と結束を固め、未経験の部員への勧誘やパート練習の新設、長時間の大会前練習などで対応した。
「ジャズをやりたい気持ちを全員で確認しました」
その結果、1月の神奈川県での大会では映画『美女と野獣』の劇中歌などを含む演目で演奏し、審査員から「始めて間もない人が多いとは気が付かなかった」との評価を得たという。7月の文化祭でも20人を超えるジャズメンバーでの演奏は、過去にない規模のハーモニーとして記録された。
一方でロック側の活動も進展がみられる。これまでは部内での練習や校内発表が中心だったロックが、県高校文化連盟主催の大会に今年初めて出場。大会参加に向けてオリジナル曲の制作や外部でのライブ経験を積むなど準備を重ね、県大会において複数バンドが評価を受けた。関係者はこうした挑戦が部員の表現力向上につながっているとみる。
地域や学校に与える影響と今後の課題
松本市内の高校文化活動として、ジャズとロックという異なる音楽文化を同一部で育てる取り組みは、地域の文化的多様性を高める効果が期待される。部員の中には、ロックの活動で校外のライブハウスに出演し、他校生や社会人と交流することで刺激を受け、技術向上に結びつけている例がある。対外発表が増えることで、観客としての地域住民が若い演奏者を直接支える機会も広がる。
ただし、両ジャンルの両立には運営面での工夫が不可欠だ。ジャズはパート練習や譜面の解釈を深める必要があり、ロックはバンド編成ごとの練習時間確保が課題になる。両方に参加する部員は、演奏会日程が重なると練習時間の捻出が難しくなるため、部としてのスケジューリングや外部支援の体制づくりが求められる。
| 活動の特徴 | 現状 |
|---|---|
| 部員数 | 1・2年中心で44人 |
| ジャズ | 管楽器10人、外部大会で高評価、文化祭で大編成 |
| ロック | 初の県大会出場、ベスト16入りのバンドあり |
顧問や保護者、先輩らの支えも部の成長を支える重要な要素だ。部員自身も「先輩がやってきたから」ではなく、自分のやりたいことを追求できる部活動にしてほしいと語る。若い世代が学校外の場で成果を示すことは、地域の文化振興や次世代の人材育成にとってもプラスとなる。
今後、部は練習体制のさらなる整備や、地域行事・学校行事との連携強化を図ることで、演奏機会の拡大や技術向上を目指す見通しだ。観客としての地域住民や地元団体が支援する仕組みづくりが進めば、より多くの若者が音楽を通じて地域に貢献する契機となるだろう。
松本市内の学校文化の現場で、ジャズとロックを両立させる試みは、部活動の多様化と活性化の一例として注目に値する。部員や関係者の工夫と努力が、今後どのようなかたちで地域の音楽文化を育てるかが焦点となる。