県が公表した私立学校の募集・費用概要
神奈川県は10月21日、2027年度に向けた私立中学校・高等学校および中等教育学校の募集要項と、入学時にかかる費用の集計結果を発表した。県内の私立学校に入学する際に初めて必要となる費用の平均額は、前年度に比べて上昇していることが明らかになった。
発表によれば、全日制の私立高等学校(公募校ベース)の初年度に必要な費用の平均は約103万3千円となり、前年から増加した。中学校(私立)の場合も平均が上がり、約110万4千円となっている。もっとも高額な学校は、慶應義塾・湘南藤沢(表記上は慶應義塾・湘南藤沢)で、入学初年度の費用が161万円に達するという。
今回の公表は2026年10月21日時点の集計を基にしており、全日制高校の公募校数や募集人員、入試日程に関する詳細も示されている。
募集校数と募集人員の概況
県の発表では、全日制の私立高等学校は公募を行う学校が58校、通信制が4校、合計で62校が公募を予定している。全日制の公募に対する募集人員は前年からわずかに減少し、合計で1万5,040人となった。これに併設校からの募集を加えた総募集人員は2万3,044人となる。
私立中学校は公募を行う学校が54校で、募集人員は7,543人。中等教育学校は公募2校で、募集人員は350人。通信制の公募人数は990人で、そのうち推薦による募集は約半数に当たる495人となっている。
費用の内訳と変動
入学初年度に必要な費用の平均額は、高校・中学校ともに前年より上昇した。高等学校の平均額は約103万2,527円、中学校は約110万3,655円で、いずれも前年度比で約2.3%の増加となっている。
費用の内訳として、入学時に一度に支払う金額(入学金相当)と、その後毎年度発生する授業料等の合計が示されている。具体的には高等学校の平均における入学時の負担は約36万7,862円、授業料等が約66万4,665円。中学校では入学時が約39万555円、授業料等が約71万3,100円であった。
| 区分 | 平均(円) | 入学時(円) | 授業料等(円) |
|---|---|---|---|
| 私立高校(全日制・公募校) | 1,032,527 | 367,862 | 664,665 |
| 私立中学校(公募校) | 1,103,655 | 390,555 | 713,100 |
学費の上昇率と学校側の対応
授業料等の引き上げは一定程度広がっている。県の集計では、公募を行う全日制高等学校の約46.6%、私立中学校の約37.0%が授業料等を値上げする方針を示している。背景には人件費や施設維持費、教育環境の整備費用などが影響していると考えられるが、県の公表資料は学校別の理由までは踏み込んでいない。
一方で、経済的負担を緩和するための対応も各校で進められている。全日制高等学校のうち多数の学校が、公立高校と併願する受験生向けの入学金支払い期限の延長措置を導入する予定だ。具体的には公募校58校のうち53校が延納に応じるとされ、そのうち43校が全額の延納、残る10校が一部の延納に対応するとしている。
入試の日程と注意点
入試日程もあわせて示された。高校の推薦入試は2027年1月22日以降に実施される見込みで、全日制49校のうち大多数が初回試験をその日程に合わせる方針だ。一般入試は2月10日以降に設定される学校が多く、試験方式や実施日には学校ごとの差があるため、志望校の募集要項を確認することが重要である。
詳細な試験日程や募集要項、学校ごとの費用内訳は、神奈川県の公式ウェブサイトと各校の募集案内で公表されています。
- 費用の平均は高校で約103万、中学校で約110万と上昇。
- 最高額は慶應義塾・湘南藤沢で161万円。
- 入試日程や延納措置など、各校の募集要項を必ず確認すること。
保護者にとっては、入学時のまとまった出費と毎年度の授業料の両方を見通した家計の準備が求められる。入学金の延納に応じる学校が多数あるとはいえ、支払いスケジュールや条件は学校によって異なるため、申込前に各校の案内を精査することが必要だ。また、授業料が上がる学校が増えていることを踏まえ、奨学金制度や授業料減免の有無についても確認しておくと、負担軽減の選択肢が見えてくる。
神奈川県内で私立教育を検討する家庭は、県と各校が公開している最新版の募集要項と費用表に目を通し、具体的な金額と支払い条件を把握した上で出願・入学の準備を進めることをおすすめする。