生成AIを「使う」から「任せる」へ――実務定着を狙った研修を開始
市場での生成AI利用が広がるなか、株式会社EXIDEA(本社:東京都中央区、代表取締役:小川 卓真)は2026年8月20日から、企業向けの実務研修「実装型AI研修」の提供を始めた。研修は、ツール操作の習得に留まらず、実際の業務でAIに何を任せ、どこを人がチェックするかを明確化することを目的としている。
カリキュラムは2時間×全7回、合計14時間。全職種向けのClaude Code実践構築研修に加え、職種別に用意した8パッケージのうちから選べる構成で、計9種類のコースを提供する。受講は原則5名以上で開講する。
研修の特徴と成果物
一般的な座学中心の研修と異なり、本研修は演習を重視する。受講者は教材に沿って実際に手を動かし、AIに任せる業務と人が最終チェックを行う範囲を定め、その内容を文書化する。研修で作成する主な成果物は次の3点である。
- 情報整理用プロンプト:AIに渡す資料や出力形式を指定する指示書
- 成果物作成用プロンプト:AIが作る成果物の合格条件とやり直し条件を示す指示書
- 確認用チェックリスト:人が検証すべき項目と問題発生時に見直すプロンプトをまとめたリスト
これらを手順書として持ち帰ることで、担当者の入れ替わりがあっても運用の一貫性を維持しやすくなるという狙いだ。研修中はEXIDEAが用意した教材を使用し、受講企業の機密情報や実データは扱わない運用となっている。
背景:導入率拡大と運用課題
EXIDEAは研修提供の背景として、生成AI導入の拡大と、その先にある運用課題を挙げている。調査データとして、ある機関の調査で、生成AIを業務で使う企業の割合が2024年8月の17.3%から2026年5月の34.5%へ増加したことを提示。また、導入済みの企業でも「従業員による活用が進まない」と回答した割合が40.4%に上る調査結果を引用し、実務定着の難しさを指摘している。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 生成AIを業務で利用する企業割合 | 17.3% → 34.5%(2024年8月→2026年5月) |
| 導入企業の運用課題(活用の進捗が遅い) | 40.4%の企業が課題を指摘 |
想定される利用シーンと効果
EXIDEAは、記事制作や契約書確認、営業リスト作成、社内問い合わせ対応など、具体的な業務を想定した職種別の教材を開発している。これにより、研修後に自社業務へ落とし込み、同じ手順で再現性のある成果物を得ることが期待される。研修で作成した手順書を自社に適用する作業は、受講企業側の責任で行うことになっている。
導入に際して留意すべき点
企業が生成AIを業務に組み込む際の課題は多面的だ。研修は運用の標準化に寄与するが、次の点を踏まえた運用設計が重要となる。
- 手順書を現場で運用するための実務検証と更新ルールを設けること
- 機密情報を扱う場合の社内ポリシーとアクセス管理を整備すること
- 担当者交代時の引き継ぎとトレーニングを定期化すること
「どの業務で、どこまでAIに任せるかが次の課題になる」
EXIDEAの提供する研修は、単なるスキル習得にとどまらず、業務プロセスの設計と文書化をセットで提供する点が特徴だ。運用が整えば、品質の均一化や業務効率化が期待できるが、現場運用の仕組み作りと継続的な見直しが不可欠である。
研修の詳細や申込条件、費用などはEXIDEAの公式発表を参照のこと。企業は自社の業務特性を踏まえ、職種別パッケージの選択と並行して、運用体制の整備を進める必要がある。
(取材・文/山崎 健司)