学生団体が開発、弘前のねぷたを“自分の図鑑”に
弘前ねぷたまつり(8月1日〜7日)で運行するねぷた団体の情報や特徴を分かりやすく紹介するウェブアプリ「ねぷた図鑑」が、弘前大学の学生団体「ねぷたVisitors」により今夏開発された。アプリは全69団体を掲載予定で、見たねぷたや気に入ったねぷたを登録して自分だけの図鑑を作ることができる。利用は無料で、8月1日からの公開が予定されている(弘前大学発表)。
開発を主導した代表は理工学部4年の髙橋那日斗さん(21)。アプリは日本語を含む七つの言語に対応すると説明されており、写真付きで各ねぷたの情報、運行団体、ねぷた絵の説明などを載せるほか、検索機能でねぷたの型や団体名、運行日から絞り込みができる。
位置情報システムと連携、実用性を重視
「ねぷた図鑑」は、2022年から弘前大学などが運用する「ねぷた位置情報システム」と連動する仕組みを採用している。位置情報システムでは、ねぷた本体の空きスペースなどに専用機材を置き、衛星利用測位システム(GPS)で運行中のねぷたがどこにいるかをウェブ上で示す。2025年のまつり期間中は1週間で3万5千件を超えるアクセスがあったという実績があり、位置情報を活用した情報提供は来訪者の利便性向上に資すると考えられる。
地域や来訪者に与える影響と期待
今回のアプリは次の点で地域住民、来訪者双方に影響を与える可能性がある。
- 観覧の効率化:どのねぷたがどこにいるかを把握しやすく、見たいねぷたを追いかけやすくなる。
- 多言語対応:英語や中国語、タイ語などに対応するため、外国人来訪者がねぷたを理解しやすくなる。
- 思い出の共有と回遊促進:お気に入り登録機能により来訪者は見たねぷたを記録でき、まつり後の回顧や他地域への情報発信につながる。
地元のIT企業「ミーモテック」副社長の髙野光さん(40)は、位置情報システムの運用に協力する立場から「IT技術でねぷたに参画する人を増やそうと開発したシステム。学生が活用してくれてうれしい。海外の方にもねぷたを身近に感じてもらえれば」と期待を示している。
使い方と実務的な注意点
発表された情報に基づく利用上のポイントは以下の通りだ。
- 公開開始日:アプリは8月1日から利用可能になる予定(弘前大学発表)。
- 利用料:無料。
- 収録範囲:まつりで出陣する全69団体を掲載予定。
- 機能:写真・団体情報・ねぷた絵の解説、検索(大型・小型・扇・組などの型、団体名、運行日)、お気に入り登録。
- 連携:ねぷた位置情報システムと連動し、運行中の位置確認が可能。
利用にあたっては、スマートフォンや通信状況によって表示速度が変わる可能性がある。位置情報を用いるサービスはバッテリー消費や通信料の増加に注意が必要で、特に国外からの来訪者は契約内容を確認するよう案内するとよい。
背景—位置情報システムの経緯と学生の取り組み
位置情報システムは2022年から運用されており、まつり期間中の来訪者向け情報提供として実績を積んできた。2025年には1週間で3万5千件を超えるアクセスがあり、運行状況の可視化に一定の需要があることが示された。こうした土台の上に、今年4月に髙橋さんらが学生団体「ねぷたVisitors」を立ち上げ、より使いやすいアプリの開発を進めたという。
「自分なりの図鑑を作って楽しんでほしい」と髙橋さんは話している(弘前大学発表)。
学生主体の取り組みは、地域資源である祭りとITを結び付ける新たな試みとして注目される。自治体や企業、大学が連携してきた位置情報の運用実績が、若い世代の発想で観覧体験の質を高める形になっている。
住民と事業者への具体的アドバイス
住民や祭り関係者、商業者が今回のアプリを活用する際の実務的な助言をまとめる。
- 商店・飲食店:来訪者がねぷたの位置情報を手がかりに回遊する可能性がある。営業時間や混雑情報を工夫して提供すると誘客につながる。
- 交通・警備:位置情報の活用で観覧者が集中する区間が可視化されれば、交通規制や警備配置の検討材料になる。主催者側は位置情報の使用状況を見ながら混雑対策を強化できる。
- 住民:お気に入り登録や写真の閲覧でまつりの楽しみ方が広がる一方、混雑する時間帯を避けるなどの行動選択にも役立ててほしい。
今後の展望と公開先
アプリは公表された日程で8月1日から利用可能になる予定で、詳しい情報は弘前大学のホームページで案内するという。学生団体の試みが実運用でどう評価されるかは、来訪者数、利用件数、地域の受け止め方によって明らかになる。
| 項目 | 公表値・説明 |
|---|---|
| 掲載予定団体数 | 69団体 |
| 位置情報システム累積アクセス(2025年) | まつり期間中1週間で3万5千件超 |
| 公開予定日 | 8月1日(予定) |
| 対応言語 | 日本語を含む7言語(英語、中国語、タイ語など) |
| 利用料 | 無料 |
地域の伝統行事とデジタル技術を結び付ける試みは、来訪者の利便性向上だけでなく、祭りの情報発信力を高める機会ともなる。運用初年度は想定外の利用が発生することも考えられるため、主催側や開発側が連携して不具合対策や案内体制を整えることが望ましい。学生主導のサービスが地域の実務とどう接続していくか、今年のまつりでの利用状況が注目される。
詳しい利用方法や公開後の案内は弘前大学のホームページを参照されたい。