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昨夏の熱中症搬送、広島で急増 救急医療への圧力が浮き彫りに

2025年7~9月、広島県での熱中症による救急搬送は1922人にのぼり、2008年の同時期と比べて大幅に増加。救急隊や医療機関に及ぶ影響と日常生活での具体的な対策をまとめた。

昨夏の熱中症搬送、広島で急増 救急医療への圧力が浮き彫りに
©イラスト AI生成 :石井 裕子/プレスリリースジェーピー

熱中症搬送が示す実態と医療現場の負担

総務省消防庁の調査を基にした共同通信の分析で、中国地方5県の2025年7~9月の熱中症による救急搬送は5563人に達したことが公表されました。県別の内訳の一部として、広島県単独では1922人が同期間に救急搬送され、2008年の同時期と比べて大幅に増加しています。全国集計が始まった2008年の同時期は中国地方全体で2016人でしたが、以降の増加は顕著です。

この数字は、単なる統計上の変化にとどまらず、救急隊や救急医療を担う病院・医療スタッフの負担増を意味します。救急搬送が増えると、救急車の出動回数が増加し、救急搬送先の病院での受け入れや集中治療の稼働率にも影響します。特に高齢者や持病を持つ人が重症化すると入院や長期の治療を必要とする例が多く、医療資源の逼迫につながりやすくなります。

広島県民にとっての具体的な影響

広島県内では、夏季の屋外作業や屋内でも冷房が十分でない環境での発症が目立ちます。熱中症は迅速な対応で重症化を避けられることが多い一方で、救急搬送に至るケースが増えれば、地域の救急対応に遅延が生じる恐れがあります。特に次の点が住民生活に影響します。

  • 救急車の到着遅延:搬送件数増加で出動可能な車両が不足する場面が生じる。
  • 救急外来の混雑:軽症者の受診増で待ち時間が長引き、本当に急を要する患者への対応に負担が掛かる。
  • 高齢者・単身世帯のリスク増大:暑さ対策を自ら行うのが困難な人々の重症化リスクが高い。

データのポイント

今回公表された主な数値は以下の通りです。

対象期間搬送人数
中国地方(5県合計)2025年7~9月5563人
広島県2025年7~9月1922人
中国地方(比較)2008年7~9月2016人(同時期)

なぜ増えたか──背景要因

熱中症搬送の増加には複合的な要因が絡みます。近年の気温上昇や猛暑日の頻度の増加に加え、高齢化の進行、単身高齢者の増加、屋外労働や換気が不十分な室内環境での生活習慣などが挙げられます。体内の水分や塩分バランスが崩れると症状が急速に進行するため、日常の予防行動が重要です。

家庭・職場でできる具体的対策

熱中症を防ぐために、個人と地域で実践できる対策を整理します。どれも特別な設備を要さない基本的な行動です。

  • こまめな水分補給:喉が渇く前に水分を摂る。特に高齢者は自覚が鈍るため意識的な摂取を。
  • 室内の温度管理:冷房や扇風機を適切に使い、室温を下げる。遮光や通風で室内の熱をこもらせない。
  • 屋外では休憩を確保:直射日光を避け、適時休憩と冷却を行う。作業計画の見直しを。
  • 体調把握と連絡体制:高齢者や持病のある家族がいる家庭では、見守りや連絡方法を決めておく。
  • 職場の対策:労働環境の暑熱対策や作業スケジュールの変更、休憩・水分補給時間の確保。

救急対応へ向けた地域の備え

救急搬送の増加は自治体や医療機関にも影響します。広島県内の自治体や関係機関は、暑期の救急体制強化や地域の高齢者支援を検討する必要があります。自治体が運営する避暑スペースや高齢者向けの見守りサービス、地域保健活動の周知が重要です。また、119通報の際に自宅でとるべき初期対応(冷却、換気、水分補給)を周知する取り組みも有効です。

救急車が必要か迷う場合は、まずはかかりつけ医や地域の医療相談窓口に連絡する、夜間・休日に関しては医療機関の案内を確認することで、受診行動の適切化につながります。緊急通報が必要な症状の例としては、意識障害や痙攣、体温が非常に高い、呼吸困難などが挙げられます。迷ったときは躊躇せず119番へ連絡してください。

今後も熱中症搬送の傾向を注視するとともに、地域でできる予防策を日常に取り入れることが、重症化を防ぎ救急医療の負担軽減につながります。広島県内の夏場の行動計画作りや家族・職場での情報共有を、今一度検討してください。

石井 裕子
石井 AI編集 広島県担当記者 オンライン

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