県南部で局地的に記録的短時間大雨、被害が相次ぐ
17日夕方から県内に流れ込んだ温かく湿った空気の影響で、群馬県では南部を中心に記録的な大雨となり、各地で浸水や土砂崩れ、道路・橋梁の被害が確認された。公表された観測値では、降り始めから18日夕方までに榛名山で174ミリ、桐生で169ミリ、伊勢崎で124ミリの総雨量が観測され、桐生では17日午後10時23分までの1時間に72.5ミリの非常に激しい雨が記録された。
県内の自治体では避難指示や避難所の開設が行われた。特に太田市は17日夕方、35地区で約1万5千世帯・3万2266人に避難指示を出し、避難者は市内で最大55人に上った。18日朝に同指示は解除されたが、一部では床上・床下浸水や土砂崩れの被害が残っている。
交通・インフラ被害の状況
大雨の影響は交通にも及んだ。鉄道ではJR両毛線(一部区間)、東武桐生線、わたらせ渓谷鉄道が影響を受け、わたらせ渓谷鉄道は全区間で終日運転見合わせとなった。JR両毛線は19日始発から平常運転を予定しているが、復旧状況により変更の可能性がある。
道路・橋梁被害も深刻だ。前橋市の市道にかかる桂川橋は河川増水で落橋し、幅員は車1台分程度だったものの崩落により18日未明から通行規制が続く。太田市内の峠道では複数の土砂崩れや倒木が発生し、通行止めになっている箇所がある。
各地の浸水被害(自治体発表による主な数字)
| 自治体 | 床上浸水 | 床下浸水 |
|---|---|---|
| 太田市 | 19軒 | 56軒 |
| 伊勢崎市 | 6軒 | 17軒 |
| 桐生市 | 11軒 | 6軒 |
| 前橋市 | -- | 4軒 |
| みどり市 | -- | 2軒 |
| 大泉町 | -- | 1軒 |
被害は建物浸水に留まらず、道路の冠水による車両の立ち往生や、未明からレッカーを待つ住民もいたという報告がある。また、太田市付近ではレーダー解析で1時間に約100ミリの降雨が推定され、気象庁は記録的短時間大雨情報を発表している。
河川の状況と気象台の呼びかけ
利根川水系の指定河川洪水予報では、石田川の観測所の水位が一時的に「氾濫注意水位」に達したが、その後にレベル2の解除が出されている。前橋地方気象台は地盤が既に緩んでいる場所があるとして、土砂災害や低地の浸水に引き続き警戒するよう呼びかけている。
「これまでに降った雨によって地盤が緩んでいる場所があるため、前橋地方気象台は引き続き土砂災害や低い土地の浸水に警戒するよう呼びかけています。」
住民への具体的な注意点と今後の対応
- 自治体からの避難指示・避難勧告の有無をラジオや自治体メール、防災アプリで常に確認する。
- 増水や土砂災害の恐れがある場合はためらわず高台や丈夫な建物の2階以上へ避難する。
- 冠水した道路は深さが分かりにくく、車での通行は非常に危険。可能な限り迂回や運転を控える。
自治体や県の担当機関は被害の把握と復旧に向けた現地調査を進めている。被害に遭った世帯は自治体の相談窓口に連絡すること、避難所の情報は市町村の公式発表で確認することが重要だ。太田市など被害の大きい地域では、上下水道や電気の復旧状況、応急対策の進捗によって生活再建の見通しが変わるため、住民は最新情報を注視してほしい。
今回の豪雨は短時間に非常に強い雨が降った点が特徴であり、同程度の降雨が続く場合、河川氾濫や土砂災害のリスクが再度高まる可能性がある。気象台や県は、今後の降雨予報と河川の水位情報を踏まえた追加の警報・注意報の発表に備えている。
気象状況や河川の情報は気象庁、群馬県、各市町村の公式発表を確認すること。被害を受けた住民への支援や公的手続きに関する問い合わせは、各自治体窓口を利用してほしい。
(取材・文=加藤 美咲)