全国342人を対象にしたアンケートで、愛知県を代表する土産として「ぴよりん」が20.2%(69人)と最も多く挙げられた。調査を実施したのはIT企業の株式会社ファーストイノベーションが運営するアンケートメディア「SES Plus」。回答はSNSX(旧Twitter)経由で、期間は2026年6月5日〜10日。2位に「ゆかり」(14.3%、49人)、3位に「ういろう」(12.3%、42人)が入り、愛知の定番菓子や食文化が幅広く想起されている実態が分かった。
調査の位置づけと方法
本調査は、愛知の土産として「何を思い浮かべるか」を尋ねたもので、販売実績や市場シェアを示すものではない。回答者は全国の10代から60代以上までと幅広く、X上の参加に基づく性質から、拡散力のある話題や近年のトレンドが結果に反映されやすい。調査主体は東京都中央区に本社を置くファーストイノベーションで、愛知県内には名古屋市昭和区のSTATION Ai内に支社を構える。
本調査はXを通じて得た回答を集計したもので、販売実績、市場シェア、全国の消費者全体の意見を示すものではありません。
この留意点は、調査結果を地域の観光・小売の現場で活用するうえで重要だ。すなわち、店頭の販売動向や来店者属性と必ずしも一致するとは限らない一方で、消費者の「想起のしやすさ」—いわゆるブランドの想起順位(トップ・オブ・マインド)に関する示唆を提供する。
上位10品目と割合
上位10位までの結果は以下の通り。上位3項目の合計は46.8%(160人)で、定番菓子が強い一方、調味料やご当地グルメもランク入りした。
| 順位 | 品目 | 割合 | 人数 |
|---|---|---|---|
| 1 | ぴよりん | 20.2% | 69人 |
| 2 | ゆかり | 14.3% | 49人 |
| 3 | ういろう | 12.3% | 42人 |
| 4 | なごやん | 10.2% | 35人 |
| 5 | 手羽先 | 8.8% | 30人 |
| 6 | つけてみそかけてみそ | 7.0% | 24人 |
| 7 | しるこサンド | 5.8% | 20人 |
| 8 | 鯱もなか | 5.6% | 19人 |
| 9 | カエルまんじゅう | 4.4% | 15人 |
| 10 | なごにゃん | 3.5% | 12人 |
4位に「なごやん」、7位に「しるこサンド」など、県民に親しまれてきた菓子が軒並み上位に入った。5位「手羽先」や6位「つけてみそかけてみそ」は、いわゆる“持ち帰りやすいご当地グルメ・調味料”としての存在感を示した。11位以下には、麺類、せんべい、まんじゅう、みそ類、ラングドシャ、天むす、ひつまぶしなど、ジャンル横断的な回答が続いており、土産の多様性がうかがえる。
地域経済への示唆と観光シーズンの文脈
結果は、県外在住者を含む幅広い層の「認知の分布」を映す。観光の集客局面では、駅や空港、主要観光地周辺で「想起されているものを見つけやすくする」工夫が、初来訪者の購買を後押しする。反対に、県内事業者が新商品を広めるには、SNSやコラボ企画などで想起の入口を増やす取り組みが欠かせない。とりわけ、夏の帰省や旅行で流動人口が増える時期は、土産の購入機会が集中しやすく、情報の見つけやすさや選びやすさが購買に直結しやすい。
また、回答傾向からは「定番の強さ」と「話題性の波及」が併存していることが読み取れる。長年親しまれてきた定番菓子は、贈答目的でも選ばれやすい一方、SNS経由で認知を獲得した商品は、旅行体験と関連付けて“話題を共有できる土産”として支持を得る。これらは売場の品揃えや訴求方法を考えるうえで、互いに補完的に機能しうる。
来訪者・住民への実用的なヒント
土産を選ぶ際の着眼点として、次のような基礎情報が役立つ。
- 日持ちと量目:配る相手の人数や移動時間に合わせ、個包装・常温可など取り扱いのしやすさを確認する。
- アレルゲン表示や原材料:贈り先の年齢層や嗜好、食物アレルギーに配慮して選ぶ。
- 用途の明確化:ビジネス向けの定番、家族・友人向けの話題性重視など、目的別に品目を絞る。
- 購入タイミング:移動の前後で荷物の量や保管条件が変わるため、持ち運びの負担を考えて購入順を決める。
今回のランキングは「何を思い浮かべるか」に基づくもので、店頭の在庫状況や販売ペースを示すものではない。実際の購入にあたっては、販売元や各店舗の案内を事前に確認し、無理のない範囲で計画的に選びたい。
関連の取り組みと調査主体
調査を紹介した「SES Plus」は、SNSの投稿・投票を通じてユーザーの声を可視化するアンケート型のWEBメディア。時流や意識の変化を定量・定性の両面から捉えるとしている。運営元のファーストイノベーションは、クリエイティブやプロモーション、マーケティングなどを手がける企業で、本社は東京都中央区。愛知県内には名古屋市昭和区のSTATION Aiに支社を置く。
愛知の魅力発信に関しては、一般社団法人つながり応援が運営する「愛知つながり応援」というWEB・SNSキャンペーンも実施されている。人と人のつながりを起点に、観光スポットや店舗、文化、地域の取り組みをリレー形式で紹介し、ハッシュタグ#愛知つながり応援の活用で地域内外から参加しやすい設計だ。アンバサダーと企業が連携し、個人と企業双方の発信力を生かした継続的な情報発信を目指している。
見えてきた課題と今後
今回の結果は、愛知土産の「想起上位」を把握するうえで有益だが、X上の自発的な参加に依拠しているため、年代や地域の偏り、情報接触の差が影響しうる。より精緻に傾向を捉えるには、来訪者アンケートや購買データなど、異なる性質のデータを突き合わせることで、「認知」「関心」「購入」の各段階を連続的に見ていく必要がある。
一方で、上位に並んだ定番や話題性のある品目は、「県外に伝わっている愛知の輪郭」を示す。事業者にとっては、既存商品の強みを再確認しつつ、来訪者が共有したくなる体験や物語をどう作り、どう伝えるかが鍵となる。観光のピークシーズンを迎える今、売場・情報発信・物流の各現場で、来訪者の選びやすさと地域らしさの両立に向けた工夫が問われている。