2025年、中国がタブーを破り、アメリカの利権に侵入—南米の貴重な資源リチウムを確保

BYD、2027年までにブラジルでのバッテリー用リチウム供給を確保

中国の電気自動車メーカー、BYDは、ブラジルにおけるリチウム採掘権を取得し、メガファクトリーを建設することで自動車業界での地位を強化しています。この動きは、アメリカにとっては不快なものとなる可能性があり、アメリカは南米を長年にわたり自国の影響圏と見なしてきました。また、中国は固体電池技術の開発を続け、競争力を高めています。

BYDがブラジルでの新しいリチウム鉱山を開発

最近、BYDは、ブラジルのミナスジェライス州にあるコロネル・ムルタ地域の852ヘクタールの土地について鉱業権を取得しました。この地域は「リチウムの谷」として知られ、BYDにとっては、バイーア州に予定されている電気自動車工場への供給チェーンを最適化するための戦略的拠点となります。この新たな資源は、電気自動車のバッテリーに不可欠なリチウム供給を根本的に改善するでしょう。

産業の垂直統合とBYDの戦略

BYDのこの動きは、原材料の採掘から製品の製造までを統合するという、より広範な産業トレンドに沿ったものです。新しい工場は年間150,000台の電気自動車を生産する能力を持ち、これによりBYDの生産自立性が高まり、重要な素材の輸入コストを削減することが期待されています。これにより、BYDは市場での競争力を一層強化できると見込まれています。

固体電池技術の進展と競争

BYDは、固体電池技術においても発展を遂げています。最近、中国の全固体電池イノベーションサミットにおいて、BYDの技術責任者である孫華俊氏が、60Ahの固体電池をパイロット生産ラインで成功裏に製造したことを発表しました。これらの電池は、エネルギー密度、安全性、寿命において従来のリチウムイオン電池に比べて大きな利点を持ち、2027年に量産段階に入る予定です。

アメリカの反応と南米の影響

アメリカは、南米全体を自国の影響圏と見なし、BYDの動きに警戒感を強めています。現在のアメリカ政府にとって、最大の競争相手が自国の庭で資源を「盗む」ことは許されないと考えられています。このような状況は、ここ数年にわたり繰り広げられている米中間の貿易戦争の新たな局面を示しています。BYDのブラジルとの提携は、両国間の商業的な摩擦をさらに煽る可能性があります。

• 田中健太郎 – 環境経済学者、リチウム供給チェーンに関する専門家
• 佐藤克彦 – 自動車業界のアナリスト、BYDの戦略に詳しい
• 鈴木明 – 国際関係学者、米中関係の専門家