ロシアに近い伝統的中立国、最悪の事態に備え最新型ドイツ製戦車44両を発注

スウェーデンが防衛力を強化：レオパルト2A8戦車の戦略的取得

スウェーデンは、自国の軍隊を近代化するための明確な一歩を踏み出し、ドイツとフランスの防衛企業KNDSが製造した44台の新型レオパルト2A8戦車を導入する計画を進めています。この取得は、ミュンヘンに本拠を置くスウェーデン防衛物資管理局（FMV）の指導の下、スウェーデンの防衛近代化プログラムにおいて重要な転換点となります。

新型戦車44台の発注が示すスウェーデンの防衛戦略の変化

この契約に署名したスウェーデン軍は、装甲車両の数を増やすだけでなく、国の安全保障と欧州の安定に対するコミットメントを再確認しています。この発注には、以前ウクライナに送られた10台の戦車の置き換えも含まれており、集合的防衛努力における連帯の重要性を浮き彫りにしています。

契約の詳細とその影響

最初の契約は2024年11月6日に署名され、24台の戦車が対象となりました。その後の交渉を経て、さらに20台が追加され、この契約は2024年12月19日に最終化されました。これらの戦車は2027年の後半から納入され、スウェーデンではSTRV 123 Bとして知られることになります。

近代化と能力の向上

現在のスウェーデン軍の66台のレオパルト2戦車と新たに導入される44台は、包括的な近代化プログラムを受けることになります。このプログラムでは、強化された防護レベル、新しい武器システム、最新のオペレーショナルコンセプト、補助動力装置（APU）、さらには先進的なデジタル化の措置が組み込まれます。

レオパルト2A8の技術的特徴

レオパルト2A8は、120mm L55A1砲を搭載しており、様々な種類の運動エネルギー弾薬に対応可能で、射程は5,000メートルを超えます。また、通信、ナビゲーション、地図作成のためのデジタル能力を備え、戦闘データの自動収集のためのネットワーキングの可能性を高めています。

今後の投資と防衛の展望

戦車に加えて、V90戦闘車両の大規模なアップグレードプログラムも計画されており、その完成は2030年を予定しています。これらの取り組みに対する総投資額は220億スウェーデン・クローナ（約20億ドル）を超える見込みです。

スウェーデンの防衛近代化は、欧州の安全保障の文脈においても重要な意味を持ちます。特に、2024年7月にはドイツ連邦防衛省がリトアニアに駐留する旅団を強化するために105台のレオパルト2A8戦車を取得することを発表しており、これらのシステムの重要性が高まっています。

• 佐藤健二 – サイバーセキュリティ専門家
• 山田美咲 – 軍事アナリスト
• 鈴木一郎 – 防衛政策ジャーナリスト