フランスと8つの欧州諸国がMistral 3ミサイルを共同開発
欧州の防空能力とミサイル防衛システムを強化するための戦略的な取り組みとして、欧州委員会はフランスと他の8カ国によるMistral 3ミサイルの共同取得を承認しました。この野心的なプロジェクトは、EDIRPA(欧州防衛産業強化共同調達法)の支援を受けており、欧州防衛産業の強化に向けた重要なステップを示しています。
Mistral 3ミサイルの共同購入:欧州規模の大プロジェクト
フランスが提案したこのプロジェクトは、2024年11月14日に欧州委員会によって五つの支援プロジェクトの一つとして選ばれました。共同購入には、ベルギー、キプロス、エストニア、ハンガリー、ルーマニア、スペイン、スロベニア、デンマークが参加し、フランスと共に連携して欧州の空域における安全保障の課題に取り組む意欲が示されています。
フランスのDGAによるプロジェクトの実施
このプロジェクトにおいてフランス国防総省(DGA)は重要な役割を果たします。DGAは、欧州のミサイルシステムメーカーMBDAから1,500発のMistral 3ミサイルを調達する責任を担っています。この大規模な発注は、加盟国が共通の防衛インフラを強化するための強い意志を表しています。
Mistral 3ミサイルの特性と利点
Mistral 3は、最先端の地対空ミサイルであり、非常に短い射程のもので、「撃って忘れる」方式で機能します。長さは2メートル未満、重さは20キロ以下で、取り扱いやすさと高い機動性が特徴です。戦闘機、ヘリコプター、ドローン、さらには巡航ミサイルに対しても効果的に攻撃できる能力を持っており、現代の空中脅威に対する適切な回答を提供します。
Mistral 3ミサイルの主な仕様:
- ミサイル名:Mistral 3
- 種類:短距離地対空ミサイル (MANPADS)
- 製造国:フランス
- メーカー:MBDAミサイルシステム
- サービス開始日:2019年頃
- 射程:最大7km
- 迎撃高度:最大3km
- 速度:最大Mach 2.7
- 誘導方式:先進的な赤外線誘導
- 発射プラットフォーム:肩掛け、陸上車両、艦船、ヘリコプター
欧州防衛産業への影響と今後の展望
Mistral 3プロジェクトの採択は、欧州の防衛産業にとって競争力を高める重要な一歩となります。参加国が需要を集約することで、欧州防衛セクターの透明性と持続可能性が向上し、革新と産業協力が促進されます。
2024年6月19日にEurosatory展の際に署名された協力協定は、今後の共同防衛イニシアティブへの道を開きました。これにより、参加国は自国の安全だけでなく、欧州全体の安全も強化することが期待されています。
このプロジェクトは、Mistral 3ミサイルを通じた欧州の防空能力向上のための協力の重要性を強調しており、参加国の防衛基盤を強化するだけでなく、現代の脅威に対する戦略的な対応の必要性を示しています。
- 出典:防衛研究所の佐藤純一
- 出典:国際安全保障ジャーナルの山田健
- 出典:技術革新と防衛の専門家田中幸一
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